
この記事の監修者
医学博士 大塚 亮
2025.07.16
【お医者さんのコラム】夏のなんとなく不調…「かくれ鉄分不足」かもしれません
ジリジリと暑さが増す7月中旬。
「なんとなくだるい」「肌が荒れやすい」「イライラする」など、気になる体の変化が増えてきませんか?
実はこうした症状、鉄分不足のサインかもしれません。
鉄分は全身の細胞や組織に酸素を届けて貧血を予防するとともに、脳内神経伝達物質の合成にも欠かせない栄養素です。そのほかにも、コラーゲンの生成・免疫力や骨の健康のサポート、疲労回復にも役立ちます。
今回は、体にあらわれやすい“かくれ鉄分不足”のサインと、毎日の食事でできる対策についてご紹介します。
鉄分が不足しやすいのはこんな人!
次のチェックリストで当てはまるものはいくつあるでしょうか。
■爪が割れやすく、ガタガタしている
■肌荒れしやすい
■氷を好んで食べたくなる
■手足が冷える
■イライラしやすい
■集中力が続かない
■月経過多・生理前の不調がつらい
■出産を経験している
これらは、すべて鉄分不足によって起こりやすい症状です。
特に女性は月経や妊娠・出産によって血液を失いやすく、健康診断で問題がなくてもほとんどの方で足りていません。
“鉄分チャージ”を続けていくと心と体が整う!
鉄分不足を改善するには、日々の食事から継続的に摂ることが第一歩です。
まずは体にやさしい食材を中心に「食べて補う」習慣を心がけてみましょう。
ポイントは、鉄分を多く含む食品をうまく組み合わせながら、ビタミンCやたんぱく質と一緒にとること。これによって、吸収率もぐんとアップします。
夏でもムリなく!鉄分チャージにおすすめの食材
暑い夏は、食欲が落ちたり、調理をなるべく簡単に済ませたいという方も多いはず。
そんなときこそ、手軽に鉄分を補える食材をうまく取り入れてみましょう。
1日に必要な摂取量の目安 | ||
男性 | 女性 | |
18歳未満 | 4.5~11.5mg(年齢により増減あり) | ・月経あり:10.5~14mg(年齢により増減あり) ・月経なし:4.4~10.0mg(年齢により増減あり) |
18歳以上 | 7.3mg | ・月経あり:10.5mg ・月経なし:6.3mg |
食材名 | 鉄分量 | 特徴 |
あさり | 30gあたりヘム鉄11mg | ビタミンC豊富なトマトなどと組み合わせると吸収率アップ |
レバー | 豚レバーの鉄分量が最も多く、50gあたりヘム鉄6.5mg ※牛肉は100gあたり2.7mg | しょうゆや酢で調理すると、吸収率アップ |
煎り大豆 | 100gあたり鉄分7.6mg | すでに加熱済なので、水で戻すだけでゆで大豆のように使える |
卵黄 | 卵黄1個(20g)あたり鉄分約6mg | 亜鉛などのミネラルも豊富 |
おからパウダー | 100gあたり鉄分4.9mg | 料理にかけるだけでたんぱく質もとれる |
塩昆布 | 100gあたり鉄分4.2mg | 和え物などの味付け代わりに使い、鉄分を少し足すのに便利 |
納豆 | 1パック(50g)あたり非ヘム鉄1.7mg | 日常に取り入れやすく、他の鉄分の多いものと組み合わせて定期的に取りたい食材 |
ちょっとした食材選びの工夫が、季節の変わり目を軽やかに過ごすヒントに◎
夏こそ、鉄分をしっかり補って、内側から元気をチャージしていきましょう。
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この記事の監修者
医学博士
大塚 亮
おおつか医院院長。医学博士。循環器専門医。
オーソモレキュラー・ニュートリションドクター(OND)認定医。大阪市立大学医学部附属病院循環器内科、ニューヨーク州 Columbia University Irving Medical Center, NewYork–Presbyterian Hospital、西宮渡辺心臓脳・血管センター勤務を経て、おおつか医院院長に就任。日本内科学会・日本循環器学会・日本抗加齢医学会に所属。
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